多くの方のお力添えを頂いて完成したカンボジア・ロンデン村の小学校「みらいスクール」。
この夏、この小学校にトイレを建設しますというお話を以前しました。
すると「え?トイレ?」みたいな反応が意外と多かったので、今回はトイレ建設を行う理由についてまとめてみました。
カンボジアの小学校にトイレを作る理由
ぼくたち日本人の多くは、小中学校を義務教育で通うことになっています。
これは子どもの義務ではなく、親の義務。
親には、自分の子どもに「普通教育を受けさせる義務」ってのがあるから、そのおかげでぼくららのほとんどは、少なくとも9年間は学校と呼ばれる場所に通ってきたと思います。
そんな毎日通う施設に、もしもトイレがなかったらみんなはどうしますか?
立ちション&野糞!!!
っていうモラルのない声もあるかと思いますが、普通に回答すると困りますよね。
それは日本以外でも一緒で、人が集まる場所に「トイレ」って必須なんです。
じゃトイレがない学校を建設していた間、催した場合はどうしてたんですか?ってなりますよね。ご想像通りです。えへへ。
トイレがないとこんなことになるかもよって話

例えば、女性が表に出ることがまだまだ認められにくい国や地域では、女性用トイレは遥か彼方に設置されることが多いようです。
聞いた話ですけど、性別や身分によっては、そんなことが日常的で当たり前の地域だってあるんだそうです。
はたまた別の地域では、自宅にトイレがないため少し離れた場所へ行くことが当たり前という場所もあるそうです。昼は良くても、夜は電気もない地域で女性、子どもがトイレに走る。
そんなタイミングを狙って性犯罪や誘拐が起きていること知っていますか?ぼくは知らなかった。
もしも学校にトイレがなかったら
あと、学校のトイレの有無と女性の社会進出に影響があるということも聞きました。
例えば、小学校も高学年になれば生理が始まる女子生徒もいます。トイレに行きたいのに行けないまま学校にいるのはあまりに苦痛。
そんな環境下で勉強に身が入りません。
最初は良かったとしても、いつ誰が来るかわからない茂みで用を足し続けるなんてことはぼくのようなモラルが欠如した人間以外は無理です。
そうやって女子生徒の学校離れが始まってしまっては悲しい。
もちろんトイレだけが全ての要因じゃなかったとしても、トイレが要因の一つとなって女子生徒の就学率の低下を招いて、もしかしたらそれが将来働ける選択肢の幅を狭めてしまうかもしれない。
カンボジアの小学校にトイレをつくるぞ
こうやって悪い影響を与えそうな課題は一個一個潰していこうと思います。
これまでやってきた井戸を掘ったのも、道をつくったのも、全ては子どもたちが「通えない」という理由を潰していくため。
もちろん他にも課題はあるのだろうけど、考えられるものは対策をしていく。
なのでこの夏はトイレを建設します。
トイレのイメージとか構想

まずは男女一部屋ずつの個室を作ります。もちろん数あった方が待たずに使えていいんだけど、予算にも限りがあるのでまずは男女別に一つずつ。
イメージはこんな感じで和式スタイル。股関節、ひざ関節、足首を柔軟にしてしなやかな体を育成することも狙いです。もちろん後付けの理由です。
水道なんてもちろんないので、横の浴槽みたいなとこに水を貯めておいてすくって流す仕組み。流れた水は地中に埋めた下水タンクの中に沈み、水分は地中へ、残った固形は業者が汲み取りに来てくれるという運用方法。
貯水タンクも作ろう

浴槽みたいなところの水は、雨水を一旦貯水タンクに流し込んでおいて、そこから流れ出す仕組みにするつもりです。そんなことを見越して、学校建設の時すでに屋根の雨水を流す雨樋を作っておきました。

貯水タンクのイメージ写真は、撮ったのにどこか行ってしまったのでネットから拝借しました。
雨が降る→屋根の雨水がレールに集合→流れて貯水タンクへIN→いつでも使える→嬉しい という流れ。
カンボジアのトイレ建設参加者募集中
ということで、現地まで来てトイレその他諸々を一緒に作ってくれる人を募集しています。詳細はこちら。
トイレは2016年8月に無事完成したので、現在こちらの募集はしておりません。
※過去記事を加筆修正して再公開しました(2025.4)
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